溶融亜鉛めっきについてふれてみたいと思います

 

溶融亜鉛めっきの耐食性について。

 

1. 大気中

大気中の耐用年数については、使用環境による亜鉛の腐食速度と、亜鉛の付着量から次の式のように計算できます。

耐用年数=亜鉛付着量(g/m2)÷ 腐食速度(g/m2年)× 0.9

 

2. 水中

溶融亜鉛めっきは、水中でもめっき表面に保護皮膜が形成され、すぐれた耐食性を示します。

水中の耐食性はpHと温度が支配的な影響を与えます。亜鉛は両性金属であるため強酸、強アルカリの水溶液には急激に溶解します。このため亜鉛めっきが有効な耐食性を示すのは、pH6~12.5の範囲です。

水温も亜鉛めっき鋼の腐食速度に重要な影響をあたえます。腐食速度は水温が150°F(66℃)~170°F(77℃)ぐらいに達した時最高となります。

 

3. 海水中

海水中での腐食速度は100~200g/m2/年程度と思われます。しかし海水に浸せき後1年以上になると腐食生成物のために腐食速度は半減するようです。逆に干満帯及びしぶきのかかるスプラッシュ・ゾーンでは、1000g/m2/年程度になることもあります。

また、海水中では同濃度の食塩水より耐食性が良好です。これは海水中のマグネシウム塩類が腐食抑制作用を有するからだと報告されています。

 

4. 臨海地域における耐食性

臨海地域では海岸に近づくにつれて海塩粒子濃度が高くなったり、洋上などで海水飛沫がかかったり、また満潮時や波の高い日に直接海水の影響を受ける場所まであります。

亜鉛の腐食は海塩粒子濃度、風向、湿度などに影響されますが、一般的傾向としては海に近いほど大きくなります。

 

 5. コンクリート中の耐食性

コンクリート中の亜鉛めっき鉄筋の耐食性に最も大きい影響を与える要因は、塩分含有量であり、標準的な品質のコンクリート中では、少量の塩分が混入または侵入しても、亜鉛皮膜は優れた耐食性を示しますが、塩分がある限度を超えると亜鉛皮膜に孔食を生じ、長期の耐食寿命が期待できなくなります。