中古衣類海外輸出・リサイクル・リユースについて

<需要動向>

 日本から輸出される中古衣類に対する需要動向については、近年の日本の中古衣料品質

に対する評価の高まり等から、基本的には需要の拡大が期待される。ただし、一部の事業

者からは東南アジアでの需要が小さい冬物の販路開拓の課題や、中国からの中古衣類の輸

出量増加による市況への影響などが挙げられた。

 日本の中古衣料の品質に対する高評価は、日本から輸出される中古衣類の品質は、比較的

新しい状態であることや丈夫であることが評価され、その需要は近年増加傾向にあると

多くの業者が感じている。

輸入国である途上国の経済成長等に伴って購買層の拡大が予想されることから、日本の中古衣類への需要を不安視する声は今のところない。

また、タンザニアにおける中古衣類の消費行動について現地の人々は

「中古衣料品は丈夫で品質がよい品が多い一方で、その時々の流行のデザインを反映した

品が手に入りにくい。それに対して、アジア製衣料品は最先端の流行を反映しデザイン的に

優れた品が容易に手に入る一方で、品質が非常に悪い」という鏡像的なイメージを中古衣類に

対して持っており、これらをうまく使い分けた消費行動を行っている。

日本の中古衣類の丈夫さを強みとして、さらに短いタイムラグで現地の流行を反映した商

品をつくることで、需要の維持・拡大を図っていくことができると考えられる。