なまし鉄線寸法切加工製品が中古衣類・繊維リユース・リサイクルの梱包資材として使われています

故繊維の三用途の内、最近30年程量的に一貫して伸びているのは輸出中古衣料である。中古衣料はボロ選別業者から買付けを行う専門の貿易商社により、東南アジア、南アジアに輸出されている。これらの国では社会の所得格差が大きく、安価な中古衣料に対する需要がある。現状、仕向地が熱帯である為冬物が売れない点、大きな潜在需要を抱える中国、インドネシアが実質的な禁輸措置をとって居る点がネックとなっている。実需ベースでは未だ量的な成長が見込める分野であるが、アジア通貨危機以降値崩れが生じ、品目により価格水準が以前と比べて格段に下がり業界の収益を圧迫している。

 ウエス用途は、機械工業全般や自動車整備、印刷等にとって必需品であり、日本全体に製造・供給業者が存在するが、製造業の生産拠点海外移転、大企業の廃棄物削減志向によるレンタルウエス(新品の布から作ったウエスを回収し薬液で洗浄し再使用するもの)への代替等により、需要全体が伸び悩んでいる。

 反毛用途は、フエルト、詰め綿、特紡糸、紡毛等多くの一次用途に分れ、更にフエルトは自動車用断熱材、カーペット、土木・産業用資材等、特紡糸は作業用手袋等の二次用途に分れる。これらの製造業の多く岡崎や泉南に立地している。この内、需要量上大きな受皿となってきたのがフエルトと作業用手袋であった。近年、フエルト用途ではエンドユーザーである自動車業界で「リサイクルし易い素材への転換」を名目に合成樹脂系フエルトへの代替が進行、作業用手袋用途でも安価な輸入物(中国製)の流入で需要が減少、反毛用途そのものの需要規模を大きく縮小させた。